紫の花束

フルートとピアノをやっています。

🎼フルート【肺活量と音量~フルートは本当にチューバ以上の肺活量が必要なのか?】

中学の吹奏楽部時代。

 

基礎体力測定?があり、肺活量を測ったところ平均以下ということが分かりました。

 

その情報が先輩の耳に入り、私は肺活量を増やすために他の部員の倍、腹筋背筋やブレストレーニングに励むことになりました。

 

でも、実際に本当にそれで肺活量が増えたのかは分かりません。

 

今考えると、ブレストレーニングは効果があったかもしれないけれど、筋トレは体力をつける以外に何か効果があったのだろうかと疑問が残る所です。

 

💜高校時代の恩師

 

高校に入り、音大受験の為、夏から地域のフルート教室に通い、M先生の指導を受けるようになりました。

 

初めてのレッスンで私はM先生に、音大受験にあたっての不安や疑問を色々相談します。

 

その中の1つに「肺活量を増やすために筋トレを増やした方がよいのか?」というのがありました。

 

先生は眉間に皺を寄せて、

 

「君は体力をつけたいんかな?それなら別にええけど、フルートを吹くために使う筋肉はフルートを吹くことでしかつかへんで。適度にするのは身体にいいかもしれんけど、筋トレに費やす時間があるなら、フルートを練習しぃ。君はね。息のコントロールを研究するべきやな。」

 

フルートのレッスンに通うようになってからは、目からウロコの情報や知識が沢山獲られましたが、その中でも特に印象に残っていることの一つです。

 

💜音大教授の体験レッスン

 

高3の春。

 

音大受験をするということで、志望校のオープンキャンパスに行った私は、そこで音大フルート科の教授によるレッスンを受けます。

 

私はM先生からの指導で、

 

「世の中の情報を鵜呑みにしたらいけないよ。僕の教えも含めて、半信半疑で何事も見聞きするのが大事。そして、自分なりの答えを探すんだ。」

 

ということをよく聞かされました。

 

確かに中学の吹奏楽部時代は先輩たちからの間違った指導に対して疑問に思う事すら許されないという状況でした。

 

私自身、疑問に思う事が沢山あって、それの答え

を見いだせなかったのもあって、吹奏楽部をやめた経緯があります。

 

M先生の「何事も半信半疑」という教えは私 にとっての救いになりました。

 

お陰でフルートレッスンの中でも先生に教えられた事を実践しつつ、何でその練習をするのか?先生は何を根拠にそういう話をするのか?っていうのを常に考え、調べる癖がつきました。

 

そうすると自分自身が納得した上で練習や演奏に取り組めるので、上達スピードも上がっていきました。

 

なんでも言われた通りにするだけっていうのは、本当の成長には繋がらないんですね……

 

ただ、【肺活量問題】はなかなか納得いく答えが出ません。

 

パソコンは基本的に許可をもらわないと使えないし、気軽に使えるものでもなく、スマホも出たばかりで、高校は携帯禁止だったので、今みたいにネットで手軽に情報を手にいられる環境ではありませんでした。

 

図書館や本などで情報収集するしかなかったのです。

 

それでも適した書籍が図書館や本屋にあるかはまた別の話。

 

やっぱり肺活量は人並み以上のものが必要なんじゃないか…

 

そんな思いがあり、音大教授にも同じ質問をしてみることにします。

 

体験レッスン当日。

 

ドギマギしながら、教授の体験レッスンを受けました。

 

そして、私の肺活量に関する質問に次のように答えてくれました。

 

君は世界三大オペラ歌手(テノールだかバリトンだか……)がどこの国の人か知ってるかい?

 

皆、イタリア人なんだよ。

 

イタリア人は日本人と違って体格がとてもいい。

 

骨格、特に肋骨の作りからして違うんだ。

 

イタリアのバーに入るとね。オペラ歌手じゃない、そこら辺の一般人でも、オペラ歌手並の声量で朗々と歌うんだ。

 

これはね、西洋人と東洋人で身体の造りが違うという事なんだよ。

 

肺活量というのは人間の身体の大きさ、骨格で決まるからね。

 

フルートはチューバ以上に肺活量がいるとよく言うけどね、実際は息のコントロールが重要なんだよね。

 

肺活量があるに越したことはないし、演奏するのにも体力が必要だから、それなりに身体を鍛えるのはいいけど、肺活量を増やすための特別なトレーニングなんてのはしなくていいんだよ。

 

そんな事より息のコントロールだよ。

 

肺活量がある人でもフルートを吹くと酸欠になるから、そんな誤解が生まれたのかもしれないけど、酸欠になるのはフルートを吹く為の息の使い方をわかっていないからなんだよ。

 

フルートは他の管楽器と違って、吹きこんだ息が全て楽器に入るわけじゃないから。

 

角度や息のスピード、太さ、そういうのが全て適したときに鳴るんだよ。

 

初心者は鳴らそうとして、必死に息を入れようとするんだ。

 

そうすると脳にまで回す酸素の余裕がなくなる。

 

脳に必要な酸素が回らなくなるから、酸欠になるんだよ。

 

だから、本当に必要なのは肺活量を増やす事じゃなくて、息のコントロールができるようになる事だね。

 

うちの学校は、副科に声楽があって必修になってるからね。

 

表現もだけど、息をコントロールする、演奏する為の身体について学ぶには声楽をしっかり学ぶのがいいよ。

 

大体こんな感じな事を言われました。

特に声楽はゴリ押しされましたw

 

でも、凄く納得したのを覚えています。

 

教授は演奏面ではとても自由人に思われる感じの人ですが、感覚ではなく理屈で教えてくれる先生でした。

 

自由に表現するにはちゃんと計算する事も大事だという事を教えてくれた先生です。

 

質問ばかりしてたら、レッスン時間終わる事もしばしば……💦

 

その後、その音大に入り、フルートは違う先生(その教授のお弟子さん)につきましたが、その先生も肺活量に関しての考え方は同じでした。

 

そして、音大卒業後も別の先生につき、懲りずに同じ質問をしてみましたが、やはりどの先生も息のコントロールが重要だとおっしゃるし、肺活量を増やす為のトレーニングはしないと言います。

 

💜医学的な見解

 

肺活量について、医学的な根拠を知りたいと思っていたときに、このような記事を目にしました。

 

https://web.sapmed.ac.jp/jp/news/press/03bqho000026klwa-att/03bqho000026klym.pdf

 

札幌医科大学の教授のお話です。

 

結局のところ、

 

①肺活量は人間の身体の大きさによって変わる

 

②大人になってからはいくら鍛えても肺活量は増えない

 

③肺活量を増やすなら子どものうちから、身体を鍛える必要がある

 

ということは、肺活量を増やすには、成長途中の子どものうちにトレーニングをしないといけないということになりますね。

 

そうなると、吹部時代のあのトレーニングももしかしたら、意味があったのかもしれません。

 

ただ、腹筋背筋が実際に肺活量を増やすのかはわかりませんが…

 

興味のある方は効果的な肺活量を増やすトレーニングを調べてみてください( ´ ▽ ` )ノ

 

 

💜声楽と大きな音

 

ここまででお話しした通り、フルート教室の先生から音大教授、オケ奏者など、私がお世話になったフルートの専門家たちはどの人も、肺活量を鍛えるよりも息のコントロールについて考えるように指導をしてくださいました。

 

息を吐き出す力、吸う力、それをコントロールする事が大事なのだと言います。

 

最近、音大教授に再びレッスンを受ける機会に恵まれ、演奏場所、環境に応じたフルートの音量調節について、伺いました。

 

六畳くらいの広さの部屋で演奏した場合、数十人規模の会場の場合、数百人規模、数千人規模の場合と音の大きさの違いを再現してくれました。

 

そして、どの場合も息の量は変わらないとおっしゃるのです!!

 

(それは本当なのッ!?まだそこは疑ってますw半信半疑大事…これから研究していきます🔥)

 

全然音量が違うんですよ!!

 

1000人規模を想定した音量なんか、レッスン室だし、近くで聞いていた事もあり、かなりの圧迫感でした( ˊᵕˋ ;)💦

 

さ、さすがです👏

 

教授曰く、音量は会場に合わせた音の響かせ方が重要だと仰っていました。

 

(ちなみにレコーディングでも音の響かせ方、演奏の仕方があるようで、沢山のレコーディングした事でも知られる巨匠ランパルは録音機を通した後のフルートの聴こえ方を想定して演奏していたと教えてくださいましたΣ|*-Д-*|すごい!)

 

そう言われて、オペラ歌手でも華奢な体つきの人が朗々と歌っている人がいることを思い浮かべました。

 

どんなに肺活量があっても、歌い方、声の響かせ方を知らなければ、オケをバックにして、コンサートホールいっぱいに響かせて歌うことはできません。

 

音大時代の声楽科の同期も大きな声で美しく響くかせて歌うには、そのための歌い方があるんだと教えてくれたことがありました。

 

それを習得するのが、初心者には難しいところ……

 

(副科声楽が難しすぎて、泣きついたら「難しいよねー」と同情してくれました笑)

 

だから、フルートの音を大きくするには、その吹き方、音の鳴らし方を知らなければならないんですね。

 

その方法を知るには声楽がとても良いと教授も仰っていました。

 

そういえば、上野星矢さんが神田勇哉さんとの対談で、大きな音を出すためには、大きな声を出せるようになった方がいいのと、音に声を混ぜていると仰っていました( ゚д゚)ハッ!

 

(音に声を混ぜるって、本当に効果あるの……?←有名人が言ったからって鵜呑みにしません🙅🏻ちゃんと自分が理解するための研究が大事)

 

こちら⤵️⤵️⤵️

https://youtu.be/6-_4xHNSxpM

 

上野星矢さんが運営されている音楽教室にも声楽のレッスンがある事からも、声楽を学ぶ意義があるんだなと感じます。

 

それに大きな声という点でいえば、声楽習得するのに1番適していると思えます。

 

以前、テレビでオペラ歌手の声量の凄さを比較するために、大きなコンサートホールでAD男性とオペラ歌手のジョン・健・ヌッツォさんが声を響かせるというのを見ました。

 

AD男性の大声は必死の叫び声で瞬間的なものだったのに対し、ジョン・健・ヌッツォさんは余裕で、朗々と声を出し、会場全体を響かせているようでした。

 

ジョン・健・ヌッツォさんは体格もがっしりしてますし、肺活量もあるのかもしれませんが、先程も華奢な身体付きの歌手が朗々と歌えることからも、やはり歌い方というのはとても大きいんだと思います。

 

音量や長く息を保つ為に肺活量がよく話題に上がりますが、肺活量を増やすことが本当に重要なのかという所はよく考えないといけないかもしれません。